EVOのカムシャフト交換作業です。
以前は頻繁に行っていた定番のチューニングメニューだったのですが、最近めっきり少なくなりました・・・
EVOエンジンも、吸気・排気・点火とチューニングして仕上げにカムシャフトもそれにみあったものに交換すると、かなりパワフルな乗り味に変化します。
カムシャフトを交換する際は、セットで軸受けのベアリングも新しいものに交換します。
専用のSSTでベアリングをクランクケースから抜き取ります。
こちらが軸受けに使用されているニードルローラーベアリング。
今回カム交換をする車両は前期EVOなので初めからこのタイプのベアリングが入っていましたが、後期型はニードルの本数の少ないベアリングが使用されていて耐久性に難ありなので、ベアリング交換する際は前期型のニードルびっちり君を使用します。
先ほどと同じSSTですが、アタッチメントを交換してインストーラーとして使います。
ベアリングの圧入方向を間違えないように正しく組み付けます。
新しいベアリングに交換完了です。
続いて肝心のカムシャフトの交換作業です。
左が元々入っていた純正Nカム。右が今から組み込むスクリーミンイーグルのSEH-11。
カム山の形状を比べると違いが一目瞭然ですね。
SEH-11はボルトインカムなので、今回はヘッド周りは特に加工・調整はしません。
低速からちゃんと効いてくれる街乗りしやすい優秀なカムシャフト。
こちらは今となっては入手困難(笑)しかも他社のカムで同じような数値のものもありません。残念。
新しいカムシャフトをそのまま組み込むというやり方もありますが・・・・できればカムシャフトは交換したいけど、カムギアはそのまま純正のものを使用したいところ。
純正ギアだとカラーコードもマッチングしているし、ギア同士の馴染みもでているので安心です。新しいカムシャフトをそのまま組み込むと、場合によってはギアのバックラッシュ不足等で唸る様な異音が発生したりベアリングに負担がかかる等、寿命の短いエンジンになりかねません。
シャフトを入れ替える専用SSTを使用して作業を進めます。↑
↑このSSTは特に買わなくてもいいような気もしますが・・・・
このようにシャフトとギアをばらしたら、元のギアに新しいシャフト部分を圧入します。
ここで任意で圧入角度を変えることが出来るのですが、今回は元通りそのまま組み付けます。
シャフト入れ替え作業完了です。
続いて、クランクケースにカムシャフトを組み込んでいきます。
ベアリング・カムシャフトが新しくなりましたので、シャフトのエンドプレイの調整もしっかり行います。マニュアル掲載の数値では許容範囲が大きすぎて当てになりそうも無いので、経験上問題の無い適切な数値に調整しておきます(笑)
ピニオンシャフト・ブリーザーギア共に綺麗な状態だったので、点検・清掃・潤滑のみでそのまま組み付けます。
タペットブロックも外した場合はしっかりアライメントツールを使用して組み付けます。
作業時間の短縮と、プッシュロッドの強度アップの目的でプッシュロッドも純正から社外品の調整タイプに交換します。
今回使用するのはリベラのテーパーライト。こちらも昔からある商品。いつもはS&Sのクイッキーを使用していますが、欠品中だったので今回初めてテーパーライトを使います。
材質はクロモリ鋼。アルミ製のものよりは強度があり安心です。
ただ、このテーパーライト、設計がイマイチ。スパナを掛ける面が2面しかないし、プッシュロッドカバーを洗濯ばさみで保持する事も出来ない。挙句、雌ネジの精度が悪くスムーズに手で調整出来ない。なかなかイライラします(笑)
さらに、マニュアルにはゼロ点から4回転突っ張るとあるのですが、それを信じて4回転で調整すると、タペット音がカチカチ(笑)
よく見ると、この調整ロッド3/8-40ピッチなので1インチに40山。25.4mmに40山。
1回転0.635。4回転で2.54mm。
対して、S&Sはロッドのピッチが32。25.4mmに32山。1回転0.79。こちらも4回転突っ張るという指示なので、3.175mm。?
その差、0.635mm(丁度1回転)
取り付け実績のあるS&Sの数値に合わせておきました。
結局5回転突っ張って良い感じになりました・・・
ロッド自体に曲がり等は無かったので良かったです。
そんなこんなで、無事にカム交換完了~!
ビックリするくらい乗り味変わって、乗るのが更に楽しくなりますよ~!
こちらはツインカムのカム交換。ついでにギアドライブにします。
バックラッシュ、大事です。
冬は作業時間に少し余裕があるので、こうして作業工程等を詳しくブログにアップする事ができていいですね。
それでは皆様、良いお年を~!
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