Wednesday, December 27, 2017

日々の作業

EVOのカムシャフト交換作業です。

以前は頻繁に行っていた定番のチューニングメニューだったのですが、最近めっきり少なくなりました・・・
EVOエンジンも、吸気・排気・点火とチューニングして仕上げにカムシャフトもそれにみあったものに交換すると、かなりパワフルな乗り味に変化します。
カムシャフトを交換する際は、セットで軸受けのベアリングも新しいものに交換します。
専用のSSTでベアリングをクランクケースから抜き取ります。
こちらが軸受けに使用されているニードルローラーベアリング。
今回カム交換をする車両は前期EVOなので初めからこのタイプのベアリングが入っていましたが、後期型はニードルの本数の少ないベアリングが使用されていて耐久性に難ありなので、ベアリング交換する際は前期型のニードルびっちり君を使用します。
先ほどと同じSSTですが、アタッチメントを交換してインストーラーとして使います。
ベアリングの圧入方向を間違えないように正しく組み付けます。
新しいベアリングに交換完了です。

続いて肝心のカムシャフトの交換作業です。
左が元々入っていた純正Nカム。右が今から組み込むスクリーミンイーグルのSEH-11。
カム山の形状を比べると違いが一目瞭然ですね。
SEH-11はボルトインカムなので、今回はヘッド周りは特に加工・調整はしません。
低速からちゃんと効いてくれる街乗りしやすい優秀なカムシャフト。
こちらは今となっては入手困難(笑)しかも他社のカムで同じような数値のものもありません。残念。
新しいカムシャフトをそのまま組み込むというやり方もありますが・・・・できればカムシャフトは交換したいけど、カムギアはそのまま純正のものを使用したいところ。
純正ギアだとカラーコードもマッチングしているし、ギア同士の馴染みもでているので安心です。新しいカムシャフトをそのまま組み込むと、場合によってはギアのバックラッシュ不足等で唸る様な異音が発生したりベアリングに負担がかかる等、寿命の短いエンジンになりかねません。
シャフトを入れ替える専用SSTを使用して作業を進めます。↑
↑このSSTは特に買わなくてもいいような気もしますが・・・・
このようにシャフトとギアをばらしたら、元のギアに新しいシャフト部分を圧入します。
ここで任意で圧入角度を変えることが出来るのですが、今回は元通りそのまま組み付けます。
シャフト入れ替え作業完了です。
続いて、クランクケースにカムシャフトを組み込んでいきます。
ベアリング・カムシャフトが新しくなりましたので、シャフトのエンドプレイの調整もしっかり行います。マニュアル掲載の数値では許容範囲が大きすぎて当てになりそうも無いので、経験上問題の無い適切な数値に調整しておきます(笑)
ピニオンシャフト・ブリーザーギア共に綺麗な状態だったので、点検・清掃・潤滑のみでそのまま組み付けます。
タペットブロックも外した場合はしっかりアライメントツールを使用して組み付けます。
作業時間の短縮と、プッシュロッドの強度アップの目的でプッシュロッドも純正から社外品の調整タイプに交換します。
今回使用するのはリベラのテーパーライト。こちらも昔からある商品。いつもはS&Sのクイッキーを使用していますが、欠品中だったので今回初めてテーパーライトを使います。
材質はクロモリ鋼。アルミ製のものよりは強度があり安心です。
ただ、このテーパーライト、設計がイマイチ。スパナを掛ける面が2面しかないし、プッシュロッドカバーを洗濯ばさみで保持する事も出来ない。挙句、雌ネジの精度が悪くスムーズに手で調整出来ない。なかなかイライラします(笑)
さらに、マニュアルにはゼロ点から4回転突っ張るとあるのですが、それを信じて4回転で調整すると、タペット音がカチカチ(笑)
よく見ると、この調整ロッド3/8-40ピッチなので1インチに40山。25.4mmに40山。
1回転0.635。4回転で2.54mm。
対して、S&Sはロッドのピッチが32。25.4mmに32山。1回転0.79。こちらも4回転突っ張るという指示なので、3.175mm。?
その差、0.635mm(丁度1回転)
取り付け実績のあるS&Sの数値に合わせておきました。
結局5回転突っ張って良い感じになりました・・・
ロッド自体に曲がり等は無かったので良かったです。

そんなこんなで、無事にカム交換完了~!
ビックリするくらい乗り味変わって、乗るのが更に楽しくなりますよ~!

こちらはツインカムのカム交換。ついでにギアドライブにします。
バックラッシュ、大事です。

冬は作業時間に少し余裕があるので、こうして作業工程等を詳しくブログにアップする事ができていいですね。

それでは皆様、良いお年を~!

年末年始の休業のお知らせ

なんだかんだで今年もあっという間に1年が終わろうとしてますね~。
振り返って見ると今年も春から色々な出来事があり、とても良い経験の出来た1年でした。
日々仕事があることに、来てくれるお客さんがいる事に感謝しながら来年も日々精進していこうと思います。今年もお世話になりました。ありがとうございました。
 着々と作業進行してますよ~!

12月29日から1月4日までの間、休業とさせていたきます。
5日より通常営業です。
よろしくお願いいたします。

Sunday, December 17, 2017

日々の作業

寒い日が続き、もはや一般的にはバイクに乗れないシーズンに突入しておりますが・・・
工場の中は来春の完成に向けて、カスタム作業が多数控えております。
21インチホイールに10インチディスクローターを装着しているように見えますが・・・
26インチホイールに11.5インチローターを装着しています。デカイ(笑)
26インチからは当店のタイヤチェンジャーにセット出来ないので、久々に手組みでのタイヤ装着。意外と楽勝でした(笑)
来春に向けてカスタム、修理のご依頼お待ちしておりますよ~!

Saturday, December 9, 2017

販売車両のご案内 S&Sナックル

販売車両のご案内です。
S&S93”KN(ナックル)エンジンを搭載したフルカスタム車両です。
5年位前に当店で製作した車両です。
フレーム他、タンク・フェンダー等全てワンオフ製作です。
当時ホットロッドカスタムショーでアワードを獲得した車両です。
エンジンはS&SのKN93”(ナックル)です。非常に調子良いです。S&S Eキャブ、モーリスマグネトー装着。始動性も良好です。
公認リジッドフレームですので、車検も安心です。
ホイールサイズは、前後23インチ。パフォーマンスマシン製ビレットホイールです。
オープンベルトはプリモの2インチ。フロントフォークはヒルクライム用スプリンガーフォークを装着しています。
車検30年6月まで残っています。
乗り出し価格432万円(税込み)です。
お気軽にお問い合わせください。
宜しくお願いいたします。


Thursday, December 7, 2017

ホットロッドカスタムショー2017 出展車両

今年も無事に出展を終えて、八戸に戻ってまいりました。

今回のテーマはポリスバイク。
往年のFXRPの様な雰囲気になるように、細部まで拘って製作しました。
少しマニアックに製作しすぎました(笑)

ベースになっている車両は、2010年式FXDLです。
フルゲイン製のRTフェアリングを装着。ロアフェアリングも同社製です。
パースートランプのポッドやランプポッドガスケットはアメリカ製。
ウインドシールドに貼り付けてあるPOLICEは反転文字。
フェアリングに埋め込んであるウインカーはかなりの貴重品。純正・当時物。これ値段聞くと目玉飛び出ます(笑)
こちらのエンジンガードも拘って製作した一品です。ダイナ用だと大きすぎて不恰好なので、FXRP用を忠実に再現しました。これはほんと良い出来栄え。
フロントフェンダーも39Φ用のアーリータイプを装着。~90年代初期までの雰囲気を出すにはこのフェンダーは外せません。
49MMフォーク用に変換ステーを製作して取り付けしてあります。
フロントホイールはRSD。ブラックOPS。写真だとただ黒く見えますが、実際見るとマットな質感がかなり良いです。
アクスルカバー5052を旋盤で削りだし。
○○○○町・変態・ポリス・デパートメント。
来年から町をパトロールして治安を守ってください(笑)
こちらのフットボードも拘って製作。既製品のダイナ用フットボードは前に出すぎてしまい、フォワードフットボード....みたいな感じになるので、FXRP同様ミッドステップの位置にボードが来るようにワンオフ製作。
今回、探すのに一番苦労したパーツがこれ。ポリス用バッグ。これはほんと貴重。
結構作りが良いです。
カバー類はほぼ全てRSD。内部が見える作りになっていてとても新鮮。
レリーズの切れ角度も目視で確認できそう。
マフラーはかなり悩んだのですが、性能重視でTBRを選択。
エンジンもチューニングしてあります。
先ずはインジェクションを一式取り外し、S&SのSUPER Gを装着。
排気量も1740ccへボアアップ。点火システムはマグネトー点火(笑)
マグカバーは赤青にペイント。変態です(笑
プッシュロッドキーパーは真鍮鋳物の当店オリジナル。
シートヒンジの取り付けボルト。
毎年、ショー出展車両には何処かに打刻したパーツを装着しています。
シートは毎度おなじみ、Oさん製作。今回も大変素晴らしい完成度です。ありがとうございました!
もれも入手困難なアイテム。MOTOROLAの無線ボックス。
車体への取り付けステーはFXRPに忠実に再現して製作してあります。
はい、誰も分かりませんね・・・
リア周り。ナンバープレート両端のマーカーランプが良い雰囲気を出しています。
コックピット。ゲージは、ヘッド温度・油圧・油温・充電電圧です。
ミサイルスイッチは、赤がパースートランプ作動。青がリアマーカーランプ点灯。
ハンドル周りは純正でも良かったのですが、キャリパーとの相性を考慮してPMを選択。
グリップはRSD。
こちらはイグニッションスイッチ。なんかポリスっぽい装置を製作したいと思い、出発前日に急きょ製作。個人的にはかなりお気に入り(笑)
こんなのを製作し↑
こんなプレートを切り出し、打刻を打って↑
後は細々パーツを削りだして、完成!

こちらはサイレンアンプ。これをフェアリングに埋め込むのはなかなか難儀でした。
アメリカの各種サイレンを鳴らすことが出来ます。
純正ホーンのカバーを加工して装着したサイレンスピーカー。大音量です(笑い
パフォーマンスマシン製2”オープンプライマリー。
加工してミッドコントロールの位置にフットボード&シーソーペダルを取り付け。
シーソーペダルはワンオフ製作。
タンク下部、フューエルポンプからのフィッティングを外して、変換アダプターを使用しガソリンコックを取り付け。
プラグコードは車体の雰囲気に合った柄のものがあったので、それを使用。
バッグが着いているので、あまり見えませんがスイングアームにも抜かりはありません(笑
アクスル部分がビレットアルミニウム。アーム部はツインレールで、往年のアレン・ネスのスイングアームを彷彿とさせますね。
細かいところですが、マスターシリンダーの蓋も最新の樹脂製に交換。これで蓋の塗装が剥がれてくる心配もありません。(最初から樹脂で作っとけよ・・・これに変わるのに何年かかってんだよ・・・)

O.H.P.D!!!
会場ではこんなツーショットも撮れたので面白かったですね~


会場に展示されている数百台のバイクの中で、ポリスバイクはこの1台しかなかったので、なかなか評判良かったです(笑)かなりマニアックなバイクなので、あまり理解されないだろうと思っていたのですが、意外とこの良さを分かってる人が多くてビックリでした。

今年もこのような素晴らしい機会を与えてくれたオーナーのN君、ありがとうございました!!